公明県議団/大阪訪問し、電子自治体や日韓IT産業の振興で調査


▲『e-ふちょう』の取り組み状況を聞く広田県議ら公明県議団(大阪府庁にて)
 公明党福岡県議団の北原守団長、広田誠一副団長ら6議員は30日、大阪府庁と「iParkおおさか」〈日韓IT支援センター〉を訪問し、電子自治体や韓国のIT事情などについて調査活動を行った。

(1)大阪府『e-ふちょう』の取り組み

 大阪府庁では、明石亮一・IT推進課長らから同府における電子自治体の取り組みについて説明を受けた。それによると、大阪府では「e-ふちょう」と銘打って、〈バーチャル府庁〉、〈シェイプアップ府庁〉、〈ネットワーク府庁〉の立ち上げに取り組んでいる。

〈バーチャル府庁〉では、・ホームページの充実、・電子申請の導入などを進めている。このうち、平成15年4月から実施しているインターネットによる府政モニター制度は、現在、10代から60代までの500人のモニターが、阪神タイガースのリーグ優勝や住民基本台帳ネットワークなどについて14回の回答を寄せている。また、携帯端末向けのページも開設している。
 電子申請の導入では、これまでに府職員採用試験の申し込みや府営住宅の入居申し込みなど27件で実施するとともに、電子調達(入札)でも15年度は19件を実施、19年度までに本格導入を予定しているという。

〈シェイプアップ府庁〉では、・基幹システムの改革、・各分野へのIT化の拡大を柱に文書管理システムの導入や「総務サービスセンター」の設置などを進めている。
 このうち大阪府独自のものとして注目されるのが「総務サービスセンター」で、人事給与、財務会計、物品調達の基幹システムを再構築し、ポータルサイトと一括構築して運用、併せて職員の問い合わせに対応するコールセンターも立ち上げる。ポータルサイトとコールセンターの開発と運営は外注することで、350人以上の職員が削減できるという。今年4月に開設予定。

〈ネットワーク府庁〉では府下市町村との協力した電子自治体への取り組みや、全国ネットワークへの参加を目指している。
 大阪府では、4年前に旧通産省出身の太田房江氏が知事に就任以来、電子自治体の構築をはじめ、産業の振興や住民の生活向上などでもIT化が急速に進み、昨年12月には「大阪府IT推進懇話会」が総合的なIT戦略に関する提言を行っている。今後はこの提言を下にIT化施策が進んでいくことになる。

(2)iPark 大阪における日韓ITビジネス支援事業

 次に、同調査団は「iParkおおさか」を訪問し、松浦歳宣・マーケティング部長らから説明を受けた。
 「iParkおおさか」は韓国政府情報通信部(省)の外郭団体である「韓国ソフトウエア振興院」の日本における出先機関で、太田知事が当時の金大中大統領に直訴して2002年11月に設立された。
 松浦部長によると、1997年、韓国は経済危機に見舞われ、IFMの管理下に置かれた。これをきっかけに至上命題となったのが外貨稼ぎで、その先兵としてベンチャー企業、IT産業が育成され、世界市場に売り込むiParkが立ち上げられたという。これまでに、米国ボストン、ロンドン、シンガポール、北京、上海など8ヶ所、うち日本には東京に次いで大阪に設置された。韓国IT企業のソリューションの世界市場への売り込みや、韓国企業と現地(日本)企業との取引の仲立ちなどを主な任務としている。
 
 同部長の主な説明は以下の通り。

<日韓のIT市場の規模と特徴>

 2003年度のサービス、ソフト、ハードの全体の市場規模は日本88,161百万米ドル、韓国12,222百万米ドルで、日本が韓国の約7倍。特徴としては、日本がサービス部門が約40%と高いのに対し、韓国ではハード部門が約57%と最も高い。この傾向は2007年度予測でも変わらない。

<日韓におけるインターネットの利用率>

 2002年度で、韓国は国民の半数以上の59%が、日本では42.7%が利用している。

<世界主要国におけるブロードバンドの接続状況>

 韓国は56.7%と極めて高く、二位シンガポール9.30%、三位米国8.6%、四位日本8.2%と続いている。韓国では回線といえば大容量のブロードバンドを意味している。

<韓国IT市場の最新状況トピックス>

・超高速インターネット普及率は1,040万世帯、全世帯の70%
・インターネット利用率は2,627万人、人口比率59%
・コンピュータ普及率は2,249万台、47%
・携帯電話普及率は3,250万台、67%
・オンライン証券は64%
・オンラインバンクは1,771万台

<韓国のインターネット利用コンテンツ>

インターネット利用者が最も多く使用するサービスは電子メールで74.2%。次いで、資料・情報提供74.0%、娯楽/ゲーム45.5%などとなっている。

<韓国のIT施策>

 「e-Koreanビジョン2006」によれば(2002年から)2006年までの韓国のIT化施策の目標は次の通り。
・インターネット普及率90%
・学校へのPC配布台数1.596.000ユニット(1台当たり5名)
・ブロードバンド加入者数14.000.000世帯
・デジタルTV普及率50%(世帯)
・IT産業の生産額276兆ウオン(約27.6兆円)
・IT産業の輸出額89.5千万米ドル
・世界におけるIT先進国ランキング10位(2001年は19位)

<韓国IT産業の成長要因>

・大統領のトップダウンによる意思決定を下に、政府がビジョンと戦略を示すとともに、民間と協力して事業を推進している。
・1980年代に構築された電話回線網や電算網など既存のインフラを積極的に活用し、高度化している。
・ブロードバンドインターネットなど戦略分野への集中的な先行投資と民間投資の誘導
・独自な技術を有するベンチャー企業への強力な支援策

 説明後の懇談で議員側から、韓国製品に対しては“安すかろ、悪かろ”のイメージが付きまとい、これを払拭することが大事だ、とした上で、(1)韓国企業の製品の企画、開発能力はどのようななものか、(2)韓国の主力製品であるオンラインゲームソフトは日本人や日本文化になじみ難いのではないか、(3)韓国のIT企業が日本に進出 し、生産活動を行う可能性はあるのか、などについて意見を求めた。これに対し同部長は、例えばサムソンなど財閥系企業は一極集中で世界的な技術者を集めており、他に負けない企画、開発能力はある。ゲームソフトについてはゲームに対する日韓両国の文化の違いがあり、日本への食い込みには困難が予想される。日本への企業進出は人件費が高く、ありえないのではないか、などとの見解を述べた。


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