福岡県議会議員/広田誠一

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『一般の仕事はできないであろうという固定観念、思い込みをまず排せよ』
広田県議、障害者の就労・就業問題をただす/7月27日、景気・雇用調査特別委員会

 7月27日、景気・雇用対策調査特別委員会が開かれた。広田県議はなかでも障害者の就労・就業問題について、県の取り組みをただした。



『障害者の就業促進に関する関係機関の協議会を実施』
『地域ネットワ−ク会議を実施』


【家守課長】

 前々回の委員会におきまして、広田委員から質問がありました障害者の就業促進に関する関係機関の協議会の実施内容について、手元の配布資料「盲学校、聾学校及び養護学校生徒の就業促進について」によりご説明申し上げます。

 関係機関による協議会は二つございまして、一番目に、盲聾養護学校の「就業促進協議会」を設置しております。この協議会は、関係機関として新雇用開発課、経済団体、学校関係者を含めました関係機関により構成されており、諸学校の進路状況や地域ネットワ−ク会議の開催状況の報告あるいは協議等がなされております。

 二番目に、昨年設置されました「地域ネットワ−ク会議」であります。養護学校生徒に対して個別の就労指導計画を平成17年度から作成することとなっており、この会議において個別の就労移行計画等を検討するもので、構成機関としては、地域のハロ−ワ−クをはじめとした労働関係機関、福祉関係、企業の経営者などとなっています。

 また、筑後養護学校、福岡高等学園、北九州高等学園の県立養護学校三校がそれぞれの地域の拠点という位置づけになっており、この地域ネットワ−ク会議の場で、個別の移行支援計画あるいは就業支援方法の内容等が検討される体制となっております。説明は以上でございます。

【広田委員】
 県の就業支援の窓口は新雇用開発課ということですが、具体的にどういう役割を協議会において果たしておられるのか、お答え下さい。


【家守課長】
 促進協議会の中における新雇用開発課の役割ですが、一つは、障害者の方の就業支援・生活支援を一体的に行う就業・生活支援センター(現在県内3箇所)設置を新雇用開発課で進めていますが、このセンターとの総合調整が大きな役割でございます。

 具体的には、盲聾養護学校の就職状況の把握、盲聾養護学校などをはじめとした就労支援機関に対する要望を把握し、要望内容を就業・生活支援センターに伝えて調整する役割があります。2点目は、県が実施する障害者雇用施策、あるいは県全体の雇用情勢を学校に情報提供し、周知を図るという役割を果たしております。

【広田委員】
 今、障害者自立支援法に基づいて障害区分認定の作業が進められています。なかでも知的障害の場合、知的障害者の障害の特性などに差があり、把握自体が難しく、1次審査は機械的に処理されるため十分に反映されず、2次審査で障害のランクが上げられるというケースが多いと聞いています。

 ことそれほどに障害者の方々については困難さが存在します。先ほど、学校から就業支援の要望が出ていると言われましたが、具体的にどのような要望が出ているのでしょうか。


【家守課長】
 要望内容については、生徒の職場実習の受け入れ先の紹介、具体的な求人内容、有望な職種など様々な要望が出ております。



『障害について就労の阻害要因は阻害要因として分析し、その方に応じたきめ細かな取り組みをお願いしたい。』

【広田委員】
 今、申し上げましたとおり、身障者とちがって、知的障害者の就業を阻害する要因として、一般の仕事はできないであろうという固定観念、思い込み、先入観などがあることがあります。

 ところが、私が知っている紳士服の縫製の工場の方は、48人の障害者を雇っています。その中に、知的障害者の方がいて顧客リストのパソコン打ち込みは一番早いということでありました。

 その人その人によって障害はいろいろあるものの、他のひとより優れたものを持ち合わせているということがあり、今後、48人から100人まで増やしていきたいと非常に積極的な取り組みをなさっておられます。

 阻害要因は阻害要因として分析しながらも、しっかりその方に応じた就労先を探すように、きめ細かな取り組みをお願いしたい。

 ネットワーク会議は昨年から開催されていますが、現実に雇用率が改善していかなければ会議の意味はないですけれども、具体的には、現在の障害者の自主雇用、法定雇用率の達成状況の推移はどうなっていますか。


【家守課長】
 障害者の県全体に占める雇用率ですが、17年度が1.54であり、16年度と比べて大体横ばいで推移しております。雇用率を達成している企業の割合ですが、16年度は44.5%、17年度は45.1%で、0.6ポイントほど改善しております。

【広田委員】
 達成しているところには調整金が支給され、逆に達成していない場合には、納付金を納めなければならないわけですが、その推移はどうなっていますか。


【家守課長】
 法定雇用率未達成の企業から納付金を取り、逆に達成した企業に調整金を支給するわけでありますが、最近3ヵ年を見ますと納付金の関係では5億5千万円前後で横ばいで推移しています。

 企業数も200社前後で大体横ばいです。一方、奨励的な意味を含めた調整金でございますが、これは14年度の3億5千万円から16年度の4億1200万円で増えています。企業数は大体横ばいであるという状況であります。
 
【広田委員】
 達成している企業の場合、かなり努力されていると思われますが、具体的な取り組み事例をお示し願いたい。


【家守課長】
 障害者雇用に理解のある企業、好事例の情報を高齢者・障害者雇用支援協会のホームページ等でも提供しておりますが、例を挙げますと、大野城市にあります産業用のクリーニング会社のワシントンランドリーがございます。

 ここは、従業員60名のうち半数が障害者で、受入のために作業工程を見直しております。具体的には、作業工程の中で非熟練部分を抜き出して、それを知的障害の方の仕事に割り当てています。それから、北九州市にあります有限会社化成フロンティアサービス、これはデータ処理の会社で、従業員の半分以上が障害者ということでございます。

 ここは玄関、トイレ、単身寮など徹底したハード面の整備に加え、障害者の方をサポ−トする専任の職員を選定するなど、社内の支援体制が整備されております。また、自動車通勤の高速道利用なども実施されております。 

【広田委員】
 企業は社会的存在であり、未達成企業については障害者雇用に向けた計画を出させていると思いますが、これら未達成企業についての採用計画の指導などはどのようになっていますか。

 
【家守課長】
 障害者雇用未達成企業に対する指導は、福岡労働局(国)が行います。雇用率が特に低い事業主に対しましては、3ヵ年の改善計画を命令します。命令の実施を怠った場合には、適正実施勧告、次に公表を前提とした特別指導、最終的には企業名の公表、という4段階の指導を行う仕組みになっております。



『発達障害、高次脳機能障害者の就職等の取り組みは』

【広田委員】
 今、盲聾養護の3種類の学校がありますが、その中で扱えない、発達障害、高次脳機能障害など、従来の障害の範疇に入らない方々の就職等の取り組みはどうなっていますか。


【家守課長】
 発達障害につきましては、発達障害者支援センター(現在、田川市、北九州市、福岡市は10月から予定)を県で指定しております。このセンターの所管自体は保健福祉部ですが、就労支援の機能を持っており、新雇用開発課も労働関係の一員として関係機関会議に入っております。

 高次脳機能障害につきましては、医療機関との協力が必要であることから、北九州市の産業医科大学が支援拠点機関として位置付けられております。また、久留米大学と福岡市では心身障害者福祉センターなどの協力機関があります。こうした拠点施設においても関係機関による連携・協力のための会議が設置されており、新雇用開発課も参加しております。

【広田委員】
 今回、除外率が引き下げられました。これによって、各企業も今まで以上に取り組みを重ねなければならない。昔からの職種、業種なども、パソコンにより仕事の範囲はかなり変わってきています。こういう意味で、県ではより指導監督を徹底していただきたい。


【家守課長】
 ご指摘ございましたように、障害者雇用率を算定する場合に特定業種については障害者の就業が困難であろうということで除外率が設けられていますが、こうした例外事項を取り除いていく動きがあり、除外率についてはしだいに縮小していくと考えられます。こうしたことも踏まえ、企業に対する動きをさらに強化する必要があると考えられます、

 直接的な指導監督権限は、国の福岡労働局にありますが、国と連携協力し、5月には経営者協会などに対して要請行動を行いました。雇用率未達成企業に対する講習会、障害者の雇用面談会参加要請を行っております。

 また、障害者雇用に積極的な企業については、知事表彰も行っております。さらに、昨年度からは、中小企業団体中央会と連携しまして、企業への個別訪問により知的障害者職場の実習受け入れの要請を行っております。



『労働政策のあまり経験がない市町村がどれだけやれるか』

【広田委員】
 障害者自立支援法が施行されましたが、実際の実施基盤は市町村であります。自立支援とあわせて就業支援を行うとなっていますが、労働政策のあまり経験がない市町村がやれるかどうか、非常に不安感があります。県としては、市町村の取組みの格差是正のために総合的な指導や支援策を考えているのでしょうか。


【家守課長】
 現在、この自立支援法のサービスがそれぞれ市町村にどういったニーズがあるかについての調査を保健福祉部が行っております。新しいサービスを供給するためにどういった基盤が必要かについて調査を実施しております。基本的な考え方は目標数値に
応じたサービス基盤整備のための支援は県が行なう。

 具体的には、今ご指摘がありました就労移行支援サービスは今までなかったサービスであることから、ノウハウがないわけでございますから、人材育成を行なう。それから、サービスを提供する事業者が出てこないと、ニーズがあっても供給できませんので、サービス提供事業者の掘り起こしを行う。これらは保健福祉サイドで取り組むこととなっております。

 労働サイドとしては、先ほど申しました就業・生活支援センターやハローワークなど従来の就労支援機関と連携して、市町村に対して技術的専門的な支援を行うことを考えています、具体的には、個別移行支援計画の策定、職業能力の評価、求職活動支援など、そういうことを行って参ります。



『大半は就職して、3年くらいで離職し、再就職問題がより深刻』

【広田委員】
 大半は就職して、3年くらいで離職するとある障害者団体のデータも出ています。再就職をしようという場合に、養護学校を訪ねていくということがなかなか実際にはできないというのが実態です。

 ですから、就業・生活支援センターが役割を担っているかどうかはわかりませんが。きめ細かに生活圏単位くらいに、そういう方々を受け入れる拠点、受け皿といいますか、斡旋して再就職できるような機能を果たせるセンターというものが必要であると考えますが、どうでしょうか。


【家守課長】
 ご指摘ございましたけれども、まず養護学校において、離職防止という意味で、職場巡回が実施されています。また、学校の事務局には相談支援係があり、就労相談・再就職の紹介などを行っています。利用しづらいという指摘もございますが、養護学校は卒業生に対してセンタ−的機能を果たすべきものと考えられます。

 さらに、就業・生活支援センターですが、これがまさに労働局としてはセンター的な機能を持ったものであると考えており、現在3箇所でございますが、将来的には拡充していきたいと考えております。

【広田委員】
 障害者雇用促進法、身体障害者が1976年、知的障害者が1998年、昨年の改正で精神障害者の雇用率が算定の基礎の中に組み込まれました。障害の種類に関係なく、そういう方々の雇用の動き、冒頭申しましたとおり、思い込みとか固定観念にとらわれないで、適正公正に就業の促進を図ることが求められております。この点について、再度、改めて課長の決意を求めます。


【家守課長】
 大きな社会的変化として自立支援法制定がございます。これからは、障害の種類にかかわりなく、障害者の方に対する就労支援のニーズはますます高まっていく状況にあります。

 県労働局としましては、先ほども申しました、就業支援・生活支援を一体的に行うという就業・生活支援センターを拠点として、障害の種類にかかわりなく、障害者の方が一般就労にスムーズに移行できるよう、全力を挙げて取り組む考えであります。

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