決算特別委員会 テロを想定した健康危機管理の体制についてただす

2001.10.31 : 平成12年度 決算特別委員会 
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◯広田誠一委員 私の方から二点お尋ねをしたいと思いますが、その第一点は、テロを想定した健康危機管理の体制についてお伺いしたいと思います。御案内のとおり、今回の人類への挑戦とも受けとめられる米国に対するテロが発生し、多数の犠牲者が出ました。残念にも、日本人にもその犠牲者が及んだところです。このテロに対し、国として、断固戦うと内外に明らかにし、一定の行動を起こすという、そうした事態であれば、そのリアクションについて、それなりの覚悟をし、対処せざるを得ない状況下にあると思います。そこで、テロを想定した健康危機管理体制について伺いたいと思います。仮に炭疽菌が郵送され、感染者が発生したと仮定します。感染者並びにその周辺者の健康の危機を回避するために、いかにその危機を管理するかという健康危機管理の問題と炭疽菌自体の広がりを防止する感染症の危機を管理することが必要となると思います。そして、これらの情報をいかに管理し、関係機関と連携していくかが重要となると考えますが、まず生物化学兵器を想定した本県における健康危機管理体制はどうなっているのかお尋ねをしたいと思います。

◯後藤元秀副委員長 筒井企画課長。

◯筒井企画課長 私どもは、県民の皆さんの生命と健康を守り、安全を確保することが行政の最重要課題であると考えております。アメリカの同時多発テロの発生を契機とした健康危機管理体制につきましては、保健福祉部内に健康危機管理調整会議を設置しまして、生物化学兵器などによるテロを想定して、検査体制、医療提供体制や医薬品の確保など通常の健康危機管理体制を再点検することをはじめとしまして、医療機関などからの情報収集の強化、また万が一の事態に迅速かつ的確な対応ができるように、そういう連絡体制の強化を行っております。また、警察が確保した白い粉末状の入った不審郵便物などの試験検査のうち、炭疽菌に係る検査につきましては、保健環境研究所において迅速に実施する体制を整え、福岡県緊急テロ警戒本部へ逐次検査結果等の情報提供を行いまして、いち早く対応できる体制を確保しているところでございます。

◯広田誠一委員 それで、具体的に移りますが、被害地域が一気に広域化した場合、迅速かつ、より機動的に対処していくという、そうした体制がにわかに必要となってまいります。この場合、一種の災害と見立てて、広域災害救急医療情報システム、いわゆる災害モードに切りかえられていくということだと思いますが、いかがでしょうか。

◯後藤元秀副委員長 田代医療指導課長。

◯田代医療指導課長 広域災害救急医療情報システムでございますけれども、このシステムは通常時には、休日、夜間の救急患者の入院受け入れ数などの救急医療情報を収集しまして消防機関や医療機関へ提供し、災害時に、災害モードに切りかえまして、被災した患者の入院受け入れ数やボランティア対応ができる医師数などの災害医療情報を収集しまして提供するシステムでございます。今後、県内で炭疽菌検出等の報告があれば、災害拠点病院に対しまして、この情報システムを災害モードに切りかえまして、入院患者の受け入れ数等の報告をするように指示することになると考えております。

◯広田誠一委員 その場合、生物兵器による場合と、それから化学兵器による場合と、その通報、指示系統、これはどのようになっていくんですか。

◯田代医療指導課長 医療機関等への通報、指示系統でございますけれども、生物兵器等によるテロが発生した場合には、直ちに対策本部が設置されまして、この対策本部から化学兵器、生物兵器それぞれのテロに対応しまして通報、指示を行うことになります。化学兵器テロにつきましては、集中治療室等を備えた災害拠点病院へ通報、指示を行うこととしております。なお、炭疽等の生物兵器テロにつきましては、感染症の専門機関である感染症センター等にも協力要請を行いまして、災害拠点病院と連携しながら対応することといたしております。

◯広田誠一委員 それで、先ほども触れられましたが、そうした生物化学兵器による被害の広がりの様子、規模によって、医療機関等にどれだけの患者を受け入れできるのかというベッド数、そうしたものをにわかに把握をし、あるいは医療の提供が円滑に進められていくようになっているというふうに理解してよろしいですね。

◯田代医療指導課長 患者受け入れ体制につきましても、生物兵器テロと化学兵器テロにより若干対応が異なってまいりますけれども、生物兵器テロで想定される炭疽につきましては、感染症法では第四類に分類されておりまして、人から人への感染はないとされておりますので、基本的には、どの医療機関でも患者の受け入れが可能となりますけれども、テロによる炭疽菌に汚染された被災者や炭疽感染疑いのある患者が発生した場合には、やはり患者の受け入れ体制が十分整っており、炭疽の検査とか診断、治療ができる感染症の専門機関である感染症センターとか災害拠点病院等で対応することとしているところでございます。また、化学兵器テロによる場合につきましては、災害現場で人が次々と倒れるというような状況が想定されますので、二次災害を防止するため、現場の消毒とか患者の除染を十分に行いながら、災害現場で症例別に分類し、速やかに救命措置を行いまして、特に重篤な患者につきましては集中治療室等を備えた災害拠点病院、それ以外の患者は対応可能な最寄りの救急病院に搬送しまして治療を行うことになります。いずれの場合も、被害の発生状況に応じまして円滑な受け入れが行われますように連携を図ってまいっていくところでございます。

◯広田誠一委員 それで、解毒剤等の緊急医薬品の備蓄についてですけれど、第一義的には医療機関における備蓄が重要であると思いますけれども、炭疽菌、それからコレラ菌の治療薬、サリンの解毒剤、こうしたものの在庫はどうなっているのか、また万が一の状況に対応はどのようになっているか伺いたいと思います。

◯田代医療指導課長 治療薬、解毒剤等の在庫の問題でございますけれども、災害拠点病院におきましては、炭疽、コレラの治療用の抗生物質のほかに、サリン等の解毒剤につきましても常時在庫を持っているということを把握しておりまして、万が一の場合でも対応できるということを確認しているところでございます。

◯広田誠一委員 その場合、炭疽菌、それからサリンの検査、判定のための器具、それから防具、こうしたことが当然必要となります。その配備状況はどうなっているのか、それから検査官の体制、これがどうなっているか。また、場合によっては検査官の養成が必要となってくるというふうに考えますが、どうでしょうか。

◯筒井企画課長 県の保健環境研究所におきましては、日常的に病原性微生物の試験、検査を行っておりまして、炭疽菌の検査、判定に必要な器具等につきましては、防護服や防護設備、マスク等を常時これは整備しております。また、サリンなどの化学物質につきましては、検体の確保につきましては警察が行うことが想定されますが、保健環境研究所におきましては、県警の科学捜査研究所と連携しまして原因物質の分析を行うことが可能な体制を確保しております。また、検査官の養成の点についてでございますが、保健環境研究所の専門職員の技術をさらに高めるために、炭疽菌の試験方法の研修のため、十月に国立感染症研究所に職員を派遣したところでございます。

◯広田誠一委員 わかりました。  最後に、実際、炭疽菌が検出された場合、保健所の対応を伺いたいと思います。

◯後藤元秀副委員長 平野健康対策課長。

◯平野健康対策課長 感染症は、感染症法におきまして、人から人へ感染する感染力、そういうことを考慮いたしまして、第一類から第四類まで分類されているわけでございますけれども、炭疽菌は、先ほど医療指導課長が説明いたしましたように、人から人への感染はなく、比較的取り扱いの厳しくない第四類に分類されております。しかしながら、生物テロといったような場合、炭疽菌の蔓延を防止するために、保健所といたしましては、感染者あるいは感染の疑いのある方の検病、いわゆる疫学調査、それから炭疽菌に汚染された場所の消毒といった防疫措置を講ずることといたしております。

◯広田誠一委員 こうした危機的状況が現実化しないことを祈るばかりでありますが、万が一の場合でも、県民、そして県民の健康を守るために、冷静に、毅然と対応していただくことをお願いして、この質問を終わりたいと思います。